椅子のために夜に立つ:美大卒3Dモデラー・みさき(23)

体験レポート

━━━━プロフィール━━━━
取材日: 2025/07/26
年齢: 23歳
料金: 15,000円(会話取材)
属性: 美大卒/フリーランス3D/副業デリ
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■訪問時:アーティスト特有の距離感

インターホン1回。
ドアが開くと、黒縁メガネに無地のワンピ。
無愛想ではないけれど、
どこか“別の世界”から来た人みたいな佇まい。

「来てくれてありがとうございます」

語尾が柔らかい。
でも視線が合うまで少し時間がかかる。

■デリを始めた理由が強烈

なぜこの仕事?と聞くと、

「椅子が欲しかったんです。
 ずっと欲しかった椅子があって」

冗談ではなく、
本気の目だった。

生活でも借金でもなく、
クリエイティブのための夜の仕事

■仕事の線引きが芸術家

サービス内容には制限があった。

「まだ自分の中で
 この仕事の構図が見えてなくて」

構図。
その言い方が、完全に美大。

世界観・自意識・境界線。
すべてをクリエイティブの言葉で説明する。

■ゲーム業界を捨てた現実感

「就活は?ゲーム会社とか」

と聞くと、

「ブラックなので。(即答)
 締切は作品を歪ませるから嫌です」

夢破れた感じは無い。
むしろ、
自分だけの正解を追う者の顔。

■“才能の焦り”が透ける

フリーランス3D、収入不安定。
だから夜の仕事。

「お金のために
 自分を作品にするのは嫌」

矛盾している。
でも、正直でいい。

美大卒はみんな、
理想と現実の狭間で自分を切ってる。

■退出時の一言が刺さる

玄関へ向かいながら、

「また呼んでください。
 その時は、新しい椅子に座ってます」

夢の続き。
それは 夜の上にしか建ってない

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